「ふぞろい流採点基準」ってどのくらい正しいんだろう?
こんにちは。中小企業診断士のまっころです。
本記事では、私が実際に受けた平成30年度の二次試験の再現答案を元に、
- 実際の点数
- ふぞろい流採点基準による採点
の比較検証をしたいと思います。
さて、事例Ⅲです。
事例Ⅰ・事例Ⅱ・事例Ⅳはこちら
平成30年度の事例Ⅲは、とてもオーソドックスな出題だったと思います。
- 第1問:SWOT
- 第2問:生産性・生産効率の向上
- 第3問:生産管理
- 第4問:システム導入
- 第5問:成長戦略
王道中の王道です。
私は設問を見た瞬間「よし!やりやすい問われ方だ!」と、心の中でガッツポーズしました。
ガッツツポーズしながら書いたものの、得点は57点。手応えと点数は比例しませんね。
では、再現答案です。
再現答案
第1問(配点20点)
顧客企業の生産工場の海外移転などの経営環境にあっても、C社の業績は維持されてきた。その理由を80字以内で述べよ。
理由は、①金型設計~成形加工まで対応3できる体制の構築2や、教育等2による加工技術力の強化4、②工業団地組合2の技術交流会の開催2や、共同受注・開発2による助け合い1、等による。
ふぞろい流採点基準による採点:18点 / 20点
第2問(配点20点)
C社の成形加工課の成形加工にかかわる作業内容(図2)を分析し、作業方法に関する問題点とその改善策を120字以内で述べよ。
問題点は、①外段取り可能な作業を内段取りで行っている3点、②金型・材料の置き方が都度変わり1、探す時間がかかっている1点。改善策は、①待ち時間に金型・材料の移動を行う(外段取り化)2②仕入先も含めて金型・材料置き方をルール化2し、探す時間を削減2である。
ふぞろい流採点基準による採点:11点 / 20点
第3問(配点20点)
C社の生産計画策定方法と製品在庫数量の推移(図1)を分析して、C社の生産計画上の問題点とその改善策を120字以内で述べよ。
問題点は、生産ロットサイズが受注量よりも大きく4、在庫が過大2な点である。改善策は、①現在は週次の生産計画を日次化し、週2回生産に変更3し、生産ロットサイズを縮小1する、②顧客と交渉し、納品計画指示を早めてもらう、等である。
ふぞろい流採点基準による採点:10点 / 20点
第4問(配点20点)
C社が検討している生産管理のコンピュータ化を進めるために、事前に整備しておくべき内容を120字以内で述べよ。
整備しておくべき内容は、①金型を支給品・内製品ごとに分類し、識別コードを設定3してマスタ化、②材料に仕入先と共通の識別コードを設定してマスタ化、③倉庫にロケーション番号を設定し、置き場を統一5、等の社内準備を行い、コンピュータ化に備える2。
ふぞろい流採点基準による採点:10点 / 20点
※当たり前のこと(コンピュータ化に備える)も書く
※説明が長い
第5問(配点20点)
わが国中小製造業の経営が厳しさを増す中で、C社が立地環境や経営資源を生かして付加価値を高めるための今後の戦略について、中小企業診断士として120字以内で助言せよ。
戦略は、①工業団地内に電気・電子部品関連の企業が多く存在する立地環境1、②C社のインサート成形という経営資源2、を生かし、C社がリーダーとなり、技術交流会を継続して開催し、最終製品に近く付加価値が高い3家電製品を、共同で開発・製造2する。
ふぞろい流採点基準による採点:8点 / 20点
※独りよがりはダメ
得点
なんと、ふぞろい流採点がピタリ正解!お見事です!
当日の感想など
事例Ⅲは、反省だらけです。
ふぞろい流採点によると、第1問で18点という高得点が取れています。
本当のところは分かりませんが、まあ、正しいでしょう。よく書けています。
他の問題がダメ過ぎます。
特に最終問題。
元々、私は事例Ⅲの最終問題が苦手でした。
事例Ⅲの最終問題は、成長戦略を問われることが多いのですが、私はつい、
- チマチマした生産性・生産効率の向上
- チマチマした生産計画
を書いてしまうことが多かったのです。
事例Ⅲの試験が始まったと同時に、(与件文も設問も見ないうちから)「最終問題は成長戦略!」と問題用紙に大きく書き、力を入れて挑みました。
・・・力を入れすぎました。
この解答をした直後は大満足!試験が終わってからも大満足!再現答案を書いた後も大満足!
ふぞろいの解答を見て初めてぶっ飛びました。
あれ・・・この問題・・・点数取れてない・・・。
二次試験において、独りよがりの解答は危険です。
そんな当たり前のことを再確認させられた事例Ⅲでした。
この解答に至るまでの勉強の経緯はこちら。
一次試験に合格してから二次試験に合格するまでの2か月半を、事細かに書いています。