こんにちは。中小企業診断士のまっころです。
以下の記事で、私の平成30年度の二次試験の、実際の答案を元に、
- 実際の得点と、
- ふぞろい流採点による得点
の比較を行いました。
事例ごとに4つあります。
その過程で、
- 「これを書けたから点数が伸びた!」
- 「これを書けたらもっと点数が伸びたはず!」
という点を見つけることができましたので、紹介したいと思います。
どれもテキスト等でよく言われていることばかりですが、実際の例を見ていただくことで、より理解が深まるのではないかと思います。
では行きます。
効果まで(当たり前のことでも)書こう
まずは「効果まで書こう」ということです。
もう少し言うと「当たり前のことでも、効果まで書こう」ということです。
それを実感したのはこちら。
事例Ⅱ 第4問(配点25点)
B社は、X市の夜の活気を取り込んで、B社への宿泊需要を生み出したいと考えている。B社はどのような施策を行うべきか、100字以内で述べよ。
施策は、①連続ドラマの舞台や夜通し続く祭り、名刹の通年ライトアップ7を旅館HPでPR3する、②夕食をとれる料亭と連携6し、共通クーポン券を発行する等、商業地域の商店と連携して夜を盛り上げ、宿泊需要を生み出す2。
ふぞろい流採点基準による採点:18点 / 25点
文末の「宿泊需要を生み出す」という部分です。ふぞろい流採点によると、これで2点獲得しています。
もう一度、問題文を見てみましょう。
B社は、X市の夜の活気を取り込んで、B社への宿泊需要を生み出したいと考えている。B社はどのような施策を行うべきか、100字以内で述べよ。
「宿泊需要を生み出したいと考えている」んです。
だから、○○や○○という施策を実施して、宿泊需要を生み出す2んです。
書き写すだけ。これで2点です。書くべきですよね。
もう1つあります。
事例Ⅲ 第4問(配点20点)
C社が検討している生産管理のコンピュータ化を進めるために、事前に整備しておくべき内容を120字以内で述べよ。
整備しておくべき内容は、①金型を支給品・内製品ごとに分類し、識別コードを設定3してマスタ化、②材料に仕入先と共通の識別コードを設定してマスタ化、③倉庫にロケーション番号を設定し、置き場を統一5、等の社内準備を行い、コンピュータ化に備える2。
これも同じです。「コンピュータ化に備える」という部分。
問題文で「コンピュータ化を進めるために、事前に整備しておくべき内容」と書かれているので、○○や○○を整備してコンピュータ化に備える2んです。
これで2点。楽ですね。
有名なフレームワーク
これは、私が編み出し訳でもなんでもありません。
事例Ⅱで有名な解答フレームワーク「DNDK=誰に、何を、どのように+効果」の、「+効果」の部分を忠実に守っただけです。
当たり前すぎて忘れがちですが、実際に得点に繋がった(と思われる)事例を2つ紹介しました。
特に、書くことが微妙に足りなくて、マスが余ってしまったとき、部分点稼ぎに有効ではないでしょうか?
単語は言い換えて短縮せよ
当たり前ですが、二次試験の解答には文字数制限があります。
同じことを書くのであれば、短く書く方が多くのことを詰め込めます。
多くのことを詰め込めるということは、それだけ得点の機会が増えるということです。
先ほどの例でも挙げた「事例Ⅲ 第4問」です。
事例Ⅲ 第4問(配点20点)
C社が検討している生産管理のコンピュータ化を進めるために、事前に整備しておくべき内容を120字以内で述べよ。
整備しておくべき内容は、①金型を支給品・内製品ごとに分類し、識別コードを設定3してマスタ化、②材料に仕入先と共通の識別コードを設定してマスタ化、③倉庫にロケーション番号を設定し、置き場を統一5、等の社内準備を行い、コンピュータ化に備える2。
「①金型を支給品・内製品ごとに分類し、識別コードを設定3してマスタ化、②材料に仕入先と共通の識別コードを設定してマスタ化、」
59文字。長いですね。これだけ長く書いてたったの3点。
例えば「①金型と材料に共通の識別コードを設定3してマスタ化、」でもいいはずです。
25文字。半分以下になりました。
空いたところに他のことを書けますので、得点の機会が増えますね。
自己満足の解答はダメ
これもよく言われることですが、「自己満足の解答はダメ」です。
事例Ⅱでやってしまう人が多いようですが、私は事例Ⅲでやってしまいました。
全事例を通じて、私の満足度NO.1の解答だったのですが、ふぞろい流採点によると、全事例を通じて最低点でした。
この問題です。
事例Ⅲ 第5問(配点20点)
わが国中小製造業の経営が厳しさを増す中で、C社が立地環境や経営資源を生かして付加価値を高めるための今後の戦略について、中小企業診断士として120字以内で助言せよ。
戦略は、①工業団地内に電気・電子部品関連の企業が多く存在する立地環境1、②C社のインサート成形という経営資源2、を生かし、C社がリーダーとなり、技術交流会を継続して開催し、最終製品に近く付加価値が高い3家電製品を、共同で開発・製造2する。
ふぞろい流採点基準による採点:8点 / 20点
与件文によると、
- 事例企業は、「プラスチック射出成形加工」を営む企業です
- 家電メーカーの下請けをしています
- 事例企業と同じ工業団地に、「金属プレス加工」「プラスチック加工」「コネクター加工」「プリント基板製作」など、「電気・電子部品に関連する中小企業」が多く立地しています
これを読んで、「なるほど!工業団地の企業を集めて、下請けから脱却し、家電メーカーを目指せってことね!」と思ったのです。
試験中は、「与件文の裏のメッセージを読み取った!」と大満足でした。
今思うと、どう考えても飛躍しすぎです。
でも、採点者を唸らせる解答を書いてみたくなってしまったのです。
二次試験では、スーパープレー・ファインプレーは必要ありません。
堅実に、確実に点を重ねていくことが重要です。
余計なことは書かない
先ほどの、「自己満足の解答はダメ」に通ずるところがありますが、余計なことを書いてしまい、点数が伸びなかったところがありました。
この問題です。
事例Ⅱ 第1問(配点25点)
B社の現状について、3C(Customer:顧客、Competitor:競合、Company:自社)分析の観点から150字以内で述べよ。
B社は、昔ながらのビジネスを続ける、地方の小規模老舗日本旅館である。顧客は、昔からの仕事や執筆・創作活動を行う固定客3をメインに、インバウンド客3が2割2ほど。競合は駅前にビジネスホテルが2軒あるものの、ほぼない3状況。自社は、築45年の古い建物2と朝食なしのサービスで、業績を落としつつある3現状である。
ふぞろい流採点基準による採点:16点 / 25点
文頭の「B社は、昔ながらのビジネスを続ける、地方の小規模老舗日本旅館である。」の部分です。
ふぞろい流採点によると、点数が入っていません。
書いても無駄だったということです。
この問題は、「3C(Customer:顧客、Competitor:競合、Company:自社)分析の観点から150字以内で述べよ」です。
セオリーとしては、「顧客は~、競合は~、自社は~」と書くのが分かりやすくて良いですよね。
私も2つ目の文章からはこのように書き、点数を稼いでいますが、最初の一文が無駄になってしまっています。
実はこの冒頭の文章を書くとき、ちょっと「ドヤ!」って思いながら書いたんです。
「冒頭の文章で『~である!』と断定して書くとカッコイイでしょ。」と思いながら書いたんです。
意味なかったですね。予備校のどの模範解答を見ても、いきなり「顧客は~」から書き始めてました。
この一文が無ければ、もう少しキーワードを盛り込めて、点数が伸びたかもしれません。
グラフを使おう
基本中の基本ですが、グラフは使った方が良いです。
平成30年度のグラフはとてもシンプルで、使いやすかったと思います。
私は逆に、シンプル過ぎてどうやって使ったらよいか分からず、うまく解答に盛り込めず、使うのを諦めました。
使い方は簡単。「インバウンド客」の前に「急増している」を付けるだけです。
これでプラス1点。僅かな加点ですが、もったいなかったです。
私が「インバウンド客」と書いたのは以下の2問。これでプラス2点が見込めましたね。
事例Ⅱ 第1問(配点25点)
B社は、昔ながらのビジネスを続ける、地方の小規模老舗日本旅館である。顧客は、昔からの仕事や執筆・創作活動を行う固定客3をメインに、インバウンド客3が2割2ほど。競合は駅前にビジネスホテルが2軒あるものの、ほぼない3状況。自社は、築45年の古い建物2と朝食なしのサービスで、業績を落としつつある3現状である。
ふぞろい流採点基準による採点:16点 / 25点
事例Ⅱ 第2問(配点25点)
インバウンド客6をターゲットに、古き良き日本を感じられる情報を写真付きで掲載する。具体的には、①和の風情がある苔むした庭園3、②日本らしい朝食の献立やこだわりの器3、③海外でも著名な芸術家の作品3、等である。
ふぞろい流採点基準による採点:15点 / 25点
最後に
いかがでしたでしょうか。
これらは「ふぞろい流採点」を参考にしたものですので、100%正しいかどうかは分かりません。
ただ、ある程度合っているのではないかと思います。
今回の記事が参考になれば。
特に、「何を書いたら良いか、よく分からなくなったとき」に参考になれば嬉しいです。
う~ん・・・まだありそう。
中小企業診断士の二次試験は奥が深いですね。