中小企業診断士の試験に挑むにあたり、非常に重要な科目。財務・会計。
どのように勉強されていますか?
こんにちは。中小企業診断士のまっころです。
本記事では、財務・会計の勉強法について、私が行った勉強法を振り返りながら、書いていきたいと思います。
企業経営理論のお勧め勉強法も書いています。
私の勉強時間
財務・会計の勉強時間:40時間38分
私が、財務・会計を勉強した時間は、合計で40時間38分でした。
勉強時間の内訳(1年目と2年目)
- 1年目:36時間9分
- 2年目:4時間29分
勉強のメインは1年目です。
主にTAC スピードテキストと、TACスピード問題集で勉強し、結果は76点でした。
2年目は、他科目の科目合格を狙っており、落ちても仕方がないと思っていましたので、最低限の復習のみで挑みました。
結果は64点で、ギリギリ合格点を取ることができました。
勉強時間の内訳(使った教材別)
過去問への取り組みが非常に少ないです。
特に、1年目は過去問の重要性に気づいておらず、過去問は一切やりませんでした。
勉強時間が少ない理由
財務・会計という重要科目が40時間程度ということで、勉強時間が少ないと感じられると思います。
これは、私がもともと、
- 日商簿記3級
- 日商簿記2級
を取得していたことが大きく影響しています。
日商簿記検定に合格するまでの勉強時間は、
- 簿記3級:約50時間
- 簿記2級:約100時間
が目安とされています。
また、落ちはしたものの、簿記1級の勉強にも取り組み、受験したことがありました。
それを考慮すると、実際の勉強時間はもっと多くなったと思います。
やはり、簿記の資格を持っているというのは、とても有利です。
しかし、今の時点で簿記の資格を持っていない人が、「まず、簿記の資格を取る」という戦略は有効なのでしょうか?
そのあたりのことを、以下で書いています。
https://chushoshindan.com/first/bookkeeping-grade3/
https://chushoshindan.com/first/bookkeeping-grade2/
いろいろ考慮すると、私が財務・会計の勉強に取り組んだ時間は、上記の時間に200時間くらいプラスしたくらいかな・・・と思います。
反省
私は、中小企業診断士の勉強をするにあたり、まずは企業経営理論に取り組み、その次に財務・会計に取り組みました。
企業経営理論に引き続き、非効率な勉強をしてしまい、反省点は多くあります。
テキストをノートにまとめる
非効率な勉強の最たるものが、企業経営理論から継続して行っていた「テキストをノートにまとめる」という勉強法です。
企業経営理論のお勧めの勉強法はこちら。ノートまとめ勉強法についても書いています。
企業経営理論という、
- 理論の体系的な理解が必要
- 一部の用語の暗記が必要
という科目ですら、効果が無かった「テキストをノートにまとめる」という勉強法。
財務・会計で効果がある訳がありません。
さすがに私も途中で気づいて止めましたが、途中まではノートにまとめることで、勉強したつもりになっていました。
上記の画像は「意思決定会計」についてまとめた部分ですね。
こんなノートを作って「意思決定会計」の問題が解けるようになるはずがありません。
それにしても、「途中で止めた」とか言いつつ、「意思決定会計」って後ろの方ですよね。
けっこう長く続けていますね・・・。
科目に限らず、効果が無かった勉強法はこちらで書いています。
過去問への取り組みが少ない
また、過去問への取り組みが異常に少ないのも、反省点の1つです。
財務・会計は、それほど過去問が重要視されない科目の1つだと思います。
(他の科目が、過去問の重要度が高すぎるだけで、財務・会計でも過去問が最重要であることは間違いありません。)
ただ、さすがに少なすぎます。
過去問に取り組まないデメリットの1つが、「出題の傾向が把握できないこと」です。
以下の記事で詳しく書いているのですが、実は、財務・会計という科目では、計算問題ばかりが出題されるわけではありません。
実は、計算問題が出題される割合は半分以下です。
もちろん最重要であることには変わりがないのですが、計算問題だけできればよいというわけではありません。
計算問題と同じように、
- 知識問題
- グラフ読み取り問題
も重要。特に知識問題は重要です。
財務・会計は、
- 計算問題の練習が全てと思い込み
- その結果、問題集で計算問題に明け暮れる
という勉強法を採られる方も多いと思います。
もちろん、計算問題を解けるということは、知識が付いているということなので、知識問題やグラフ読み取り問題も解けるようになるという効果もあるとは思います。
ただ、それでもやはり、出題傾向の把握は重要です。
私は、
- 過去問を一切やらずに挑んだ1度目の一次試験の時
- 2度目の直前に、復習の意味で過去問に取り組んだ時
今思うと、たしかに、若干の違和感がありました。
ただ、その時はうまく言語化できず、気づくことができませんでしたが、明らかに問題集と過去問は違いました。
計算問題が苦手という方。
問題集での計算問題の練習は、ぜひともやるべきですが、たまには過去問へも取り組み、
- 計算問題
- 知識問題
- グラフ読み取り問題
をバランス良く勉強するのが良いと思います。
知識問題とは、こんな感じの問題です。計算の要素は全くありません。
市場の効率性に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
ア ウィーク型仮説とは、現在の株価は、過去の株価、取引高などを織り込んでい
る結果、過去のデータから、将来の株価の変動を予測することは不可能であると
する仮説である。イ 効率的市場仮説とは、情報が即座に価格に織り込まれることを通じて、市場で
は効率的な価格形成が達成されているとする仮説である。ウ 資本市場における取引上の効率性とは、手数料、税金、制度、法律などの面で
取引を円滑に実施するための取引システム全般が機能しているかどうかを意味す
る。エ セミストロング型仮説とは、市場の効率性は限定的であるので、ファンダメン
タル分析を使って超過収益獲得の機会が存在することを示す仮説である。
引用元:平成30年 中小企業診断士 一次試験 財務・会計 第20問
正解は「エ」ですが、こういう問題は計算練習を繰り返しても解けないことが分かりますよね。
計算練習はもちろん大切ですが、こういう問題も半数近く出題されます。
ぜひ過去問に早めに取り組み、出題の傾向を把握してください。
お勧めの勉強法
では、どのような勉強法がお勧めなのか?
ここでは、私が使った、
- テキスト
- 問題集
- 過去問
を中心に、うまく活用した勉強法について書いていきたいと思います。
テキストの使い方
まず、テキストですが、上記で書いたようなノートにまとめるという、クソ勉強法はやめましょう。
もちろん、公式や理論を理解するために、
- 公式
- イラスト
- グラフ
などを手で書いてみるのは有効です。ぜひ、やった方が良いと思います。
ただ、それを、キレイにまとめる必要はありません。
私は、どちらかと言うと、「ノートにキレイにまとめる」ことにこだわっていました。全く無駄なこだわりです。
後述しますが、「ちょっとハードルが高いな」と感じたら、簿記3級のテキストから入るのがお勧めです。
ほとんどの簿記3級のテキストは、「会計関係の知識が全く無い人向け」に書かれていますので、とても分かりやすいです。
問題集
財務・会計において、問題集への取り組みは重要だと思います。
苦手な分野は、たくさん練習した方が良いです。
ただ、財務・会計を重視しすぎて、
- 1日1問は必ず解く
- どの科目を勉強する日も、まずは財務・会計をやってからにする
という勉強法を採る方もいらっしゃるかもしれません。
実際にそういった勉強法をお勧めされる方もいらっしゃいますね。
たしかに苦手であれば、たくさん時間を割くべきなのですが、私としては「少々やりすぎではないか?」と思っています。
私もこの勉強法を取り入れようとしましたが、時間的に無理でした。
有効かどうかという以前に、どうやっても無理でした。
社会人が1日に確保できる勉強時間ってどれくらいでしょうか?
「1日1問は必ず解く」と仮定すると、
- 問題集を開き、
- 問題を解き、
- 答え合わせをし、
- 間違えた場合は理解し直す
ということをやると、どんなに頑張っても30分くらいはかかるのではないかと思います。
1日30分。財務・会計の計算問題だけにつぎ込めますか?
財務・会計は重要な科目ではありますが、あくまで7分の1です。
そして、財務・会計の中でも、計算問題は約半分ですから、その重要度は更に下がり、14分の1程度といっても良いと思います。
「財務・会計が足切りで不合格」というリスクももちろんありますが、他にも覚えなければならないことはたくさんあります。
いくらなんでも「財務・会計ばかりを重要視しすぎではないか?」と思ってしまうのです。
過去問
過去問も重要ですね。
ただ、先ほども書きましたが、他の科目に比べると、そこまで重要ではないかもしれません。
しかし、軽視するのは禁物。
早めに取り組み(少なくとも問題集の2周目に入る前には)、出題の傾向を把握した方が良いと思います。
簿記を学ぼう
財務・会計の分野に初めて挑む人は、簿記(3級レベル)の勉強を最初にすると良いと思います。
資格を取るかどうかはさておき、財務・会計において重要な「財務諸表」を理解するのに、簿記3級のテキストは最適です。
簿記3級のテキストは、本当の初学者向けに書かれていることがほとんどです。
財務・会計のテキストは、どちらかというと「これくらい分かるよね?」という感じで書かれていることも多く、初学者にとってはハードルが高く感じられることもあります。
私もブログを書くために最近買いましたが、この簿記教科書 パブロフ流でみんな合格 日商簿記3級 テキスト&問題集は、分かりやすくお勧めです。
資格の有無にかかわらず、既に簿記の勉強をしたことがある人は不要ですね。
簿記の資格を取った方が良いかどうかは、こちら。
勉強はした方が良いですが、資格まで取るかどうかは人それぞれだと思います。
理解できることを増やし、覚えることを減らす
財務・会計は、
- 最も理解が必要な科目
- 最も暗記が不要な科目
と言って良いと思います。
暗記が不要というよりも、「暗記ではどうにもならない」というところでしょうか。
とはいえ、公式の暗記をされる方も多いですよね。私も、一部の公式は暗記に頼りました。
ただ、理想を言えば、公式を暗記するのではなく本質を理解し、公式をいつでも導き出せるようにすることが大事です。
財務・会計が得意な人ほど、暗記には頼らず、本質を理解しています。
公式を使わずに財務・会計の問題を解く方法を、一部ですが書いています。今後も少しずつ増やしていきたいと思います。
最後に
中小企業診断士の科目の中で、最重要であり、最難関と言ってもいい財務・会計。
苦手意識がある方こそ、効率的な勉強が必要なのではないでしょうか。
合格点目指して、頑張ってください!