二次試験の分析とファイナルペーパー公開 事例Ⅰ

二次試験の分析とファイナルペーパー公開 事例Ⅰ

こんにちは。まっころです。

今回は、私が各事例を分析した資料と、分析を通じて作成したファイナルペーパーを公開したいと思います。

ちなみにこの分析ですが、分析結果だけを見ると、各種テキストでも同じような情報は掲載されており、目新しい情報は無いように思います。ただ私としては、この分析のために過去問の設問や与件文を相当読み込みましたので、とても効果が高い勉強法でした。

ここでは事例Ⅰの分析と、ファイナルペーパーを公開します。事例Ⅱ~Ⅳは以下に掲載しています。

事例Ⅱ

事例Ⅲ

事例Ⅳ

問われる分野・問われ方の分析

Chart by Visualizer
Chart by Visualizer

※分析は、平成25〜29年の5年分の過去問を元に行っています。

※出題回数ではなく、配点の割合でグラフ化しています。

※分類はいろいろな考え方があると思います。この分け方はあくまで私の考えです。

 

事例Ⅰは最も掴みどころがない事例で、分析も一番苦労しました。しかし、分析を重ねるうちに、なんとなく全体像が見えてきました。

事例Ⅰは分析に最初に取り組んだ事例で、どのように分析したらよいか分からなかったこともあり、「問われる分野」と「問われ方」の2つの指標で分類しています。

「問われ方」を見ると、「助言」を除きほぼ分析系の問われ方であることが分かります。分析系は、「今後こうしたら良い」と書くのではなく、「現状はこうである」と書く設問です。

どちらかというと、「助言系」よりも「分析系」の方が解答の方向性を絞りやすく、優しい設問と言えるのではないでしょうか。掴みどころがない事例Ⅰですが、実はこんな傾向になっていたんですね。

人的資源管理(全体の24%)

まず、事例Ⅰでは「人的資源管理」について問われることが多く、全体の24%を占めます。人的資源管理は、いわゆる「茶化」を用いて答える設問です。

「茶化」とは、人的資源管理に必要な5つの要素「採用」「配置」「報酬」「育成」「評価」の頭文字をカタカナにし、重ねたもので、人的資源管理を抜け漏れなく考えるための、有名なフレームワークですね。

 

それぞれの方向性として、

  • 採用:新卒採用は帰属意識を高める効果、中途採用は即戦力となる効果がある。
  • 配置:適材適所で配置する。
  • 報酬:どちらかというと年功序列→成果主義への移行が多いが、完全な成果主義が良しとされるケースは少ない
  • 育成:OJT・OFF-JT・自己啓発支援で能力アップ。なんでもかんでもOJTではダメ。
  • 評価:透明性・納得性・公平性が大切。評価制度を変えるときは、経営者が従業員に心を込めて語りかけることも重要。コンピテンシー評価は◯

事例Ⅲだと人的資源については「OJTで能力アップ」一択でいいんですが、流石に事例Ⅰはこれがメインの事例ということもあって一筋縄ではいかないですね。

SWOT(全体の19%)

次に問われるのは「SWOT」です。全体の19%を占めます。事例Ⅰは全部で5問のことが多いですので、ほぼ毎回1問目で問われると思って間違いないと思います。

平成30年度の第1問目は、ストレートにSWOTを問う問題ではありませんでしたが、「小さな市場で自社の強みを生かす」という視点が必要でした。平成30年度の第1問目もSWOTだとみると、平成25年度以降の第1問目は全てSWOTです。

事例Ⅰは「組織と人事」についての事例ですが、SWOTは「組織と人事」は関係ありません。というか、他にも「組織と人事」が関係ない設問はけっこうあります。

そういった事例は何が関係するかというと「経営戦略」です。一次試験の企業経営理論で学ぶ最初の分野ですね。

私はしばらく「事例Ⅰ=組織と人事」と思い込んでいましたので、ずっとモヤモヤしてたのですが、「組織と人事以外も出る」と思えたことで、ずいぶんスッキリしました。

新規事業(全体の16%)

次は新規事業についてです。

この設問は、新規事業が「成功した理由・失敗した理由」(過去)と、「留意すべき点」(未来)に分かれます。

どちらも「選択と集中」「既存事業とのシナジー」がキーワードになることが多いと思います。中小企業は投入できるリソースは多くありませんので、「多角化戦略はだいたい失敗」します。(あくまで試験上に限ってですよ!)

組織管理(全体の8%)

次は組織管理。機能別、事業部別、マトリックス組織など、それぞれの組織形態のメリット・デメリットの把握は必須です。

多くは「静的組織(機能別・部門別など)→動的組織(事業部制、マトリックス制)」への移行が多いと思いますが、平成30年度は異なりましたね・・・。盛大に引っかかった人、多いのではないでしょうか。

私は「引っかからないぞ!」と気付いた上で、よく分からない解答を書いてしまいました。

私のよく分からない解答はこちら→日本一早い!平成30年度二次試験の合格答案事例Ⅰ

対策

事例Ⅰは本当に対策が立てづらいと思います。しかも最初の事例ですから、事例Ⅱ以降のテンションを大きく左右しますよね。当日も恐らく「出来たのかよく分からない」という感触だと思います。

どんな感触であれ「微妙な感触が普通」と割り切り、少なくとも事例Ⅱ以降に引きずるのは避けましょう(笑)

ファイナルペーパー

私が作成した事例Ⅰのファイナルペーパーです。参考になれば幸いです。

ファイナルペーパー事例Ⅰ※別ウィンドウでPDFファイルが開きます。

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