こんにちは。中小企業診断士のまっころです。
中小企業診断士の二次試験に合格するためには、
- 受験生の中の上位20%に入る必要がある
- 奇をてらった解答は逆効果で、「普通の解答」を確実に書く必要がある
と言われますよね。
でも、ちょっと待ってください。これっておかしくないですか?
だって、
- 上位20%に入るためには、他の80%の人とは違うことを書かなければなならないし、
- 普通の解答をしたらその他大勢に埋もれてしまい、不合格になってしまう
と思いませんか?
私は受験生の時、「普通の解答を書かなくてはならない」と思いながらも、なんとなくモヤモヤしていました。
二次試験を採点する側になって分かったこと
私は中小企業診断士に登録後、とある資格予備校で、二次試験の模試の採点をするバイトをしました。
私が行ったのは、ある事例の、約50人分の採点です。
二次試験を受けるのは毎年約5,000人。
その1%ほどの、しかも1つの事例だけの採点ですから、私が見た答案は本当に限られたものだと思います。
しかし、受験生の中で50人の解答を読んだことがある人はあまりいないでしょうし、採点するレベルでしっかり読み込んだ人はまずいないと思います。
模試とはいえ、受験を控えた方々が真剣に書かれた答案です。
真剣に読み込み、真剣に悩み、点数をつけ、中には僭越ながら(もちろんその予備校の採点方針に従ってですが)アドバイスを書かせていただきました。
その過程で、冒頭に書いたモヤモヤが完全に吹っ飛んだのです。
普通の解答をちゃんと書けている人は少ない
いきなり結論なんですが、そうなんです。
普通の解答をちゃんと書けている人は少ないのです。
しかも、1つの事例の4~5問全てにおいて「普通の解答」が書けている人は、ほとんどいませんでした。
50人中、2人くらいでした。
私が採点した答案の内、合格点である60点を超えたのは、約25%ほどでした。
模試なので若干甘めなこともあり、そこそこ平均的な結果ではないかと思います。
つまり、「1つの事例の4~5問全てにおいて『そこそこの解答』が書けている人」”以外”も、しっかり合格点を取っているのです。
4~5問の内、
- 1~2問はちょっと変なことを書いてしまい得点が伸びていない
- その分を他の設問でカバー
- その結果、合計すると合格点。
そんな答案ばかりでした。
「普通の解答を書く」って、メチャクチャ大変なことなんです。
普通の解答に徹しよう
今回の記事で言いたいことは、これだけです。
「普通の解答に徹しよう」ということです。
例えば、
- 採点者を唸らせる助言
- 誰も思いつかないような斬新な施策
- 「この解答では平凡過ぎる」と不安になり、ちょっとひねった解答
どれも本当に不要です。平凡でいいんです。
普通の解答の積み重ねの先にしか、合格はありません。
普通の解答を書き続けられる人の割合
それでも「上位20%に入るような回答を書かないと不安」という人。
計算してみました。
ある事例で、設問数が5問だったとします。
あなたは全ての設問で、「10人中7人は思いつくような平凡な解答」を書いたとします。
計算してみます。
$$\frac{7}{10}×\frac{7}{10}×\frac{7}{10}×\frac{7}{10}×\frac{7}{10}=\frac{16807}{100000}≒16.8\%$$
見事、上位20%どころか、16.8%に入ることができました。
おめでとうございます!合格ですね!
もちろんこんなに単純ではありませんが、イメージは伝わったのではないかと思います。
さいごに
先ほども書きましたが、私は受験生時代、「上位20%に入らなければならないのに、普通に徹しなければならない」という、大いなる矛盾に悩まされていました。
でも違ったのです。
普通であり続けることは、本当に難しいことだったのです。
普通の解答を普通に書き続けられる人が、二次試験に合格する人なんだと思います。