中小企業診断士が、田端信太郎氏の「これからの会社員の教科書」を読んでみた

中小企業診断士が、田端信太郎氏の「これからの会社員の教科書」を読んでみた

こんにちは。中小企業診断士のまっころです。

2020年1月3日金曜日。

朝、目覚めてツイッターをポチポチ見ていると、私がフォローしている中小企業診断士や受験生の方々が、なにやら騒がしい。

どうやらこのツイートがきっかけらしい。

 

なんと!中小企業診断士がクソだと!これは聞き捨てならん!

 

よく見ると、このツイートへの引用RTとなっているようだ。

 

昨年2019年12月19日に発売された、田端信太郎氏の「これからの会社員の教科書」にて、「中小企業診断士は資格としていまいち」と書かれているとのこと!

 

こうなったら・・・中小企業診断士として取るべき行動はこれしかない!

 

 

 

乗っかれ!

あえて、中小企業診断士の取得をオススメしてみましたが、効果はいまいちでした。炎上すらしない・・・。田端さんにも見向きもされません。

 

かくなる上は・・・、

 

買って読むしかない!

 

ということで、田端信太郎さんの『これからの会社員の教科書 社内外のあらゆる人から今すぐ評価されるプロの仕事マインド71』を読んでみましたので、そのレビュー記事を書かせていただきます。

 

 

また、下記の記事では「中小企業診断士は価値のある資格なのか?」ということについて、丁寧にまとめています。

ご参考になれば。

中小企業診断士は価値のある資格なのか?

 

レビューの前に

私は

まず、私について、ちょっとだけ書きますね。

 

私は、昨年2019年4月1日に登録をした中小企業診断士です。独立しているわけではなく、会社員として働いています。「企業内診断士」と呼んだりします。

会社員として使っている名刺には、しっかりと「中小企業診断士」と入れています。資格取得後にソッコー入れましたよ。ええ。

 

田端氏曰く、『クソみたいな中小企業診断士の資格を取り、名刺に入れちゃってるセンスないヤツ』です。

そうか・・・、私はクソでセンスが無かったのか・・・。

 

田端信太郎さんについて

さて、まず言っておきたいのですが、私は田端さんは嫌いではありません。どちらかと言うと好きです。

前作の「ブランド人になれ!会社の奴隷解放宣言」も読んでいます。

 

今回、中小企業診断士をdisっているのを見ても、別に嫌いになっていませんし、「田端さんのことは嫌いじゃないけど、今回の発言は許せない」とかもありません。

なので、今回の発言を許せない方たちからすると、ちょっと期待外れのレビューになるかもしれません。

 

それでは、書いていきます。

 

「これからの会社員の教科書」レビュー

良書だった

はい、良書でした。

 

読み終わって「良書だった」だと思いました。だいたい1時間半くらいで読めたので、量としてもまずまず。一気読みできます。

「良書だった」だけだと参考にならないと思うので、もう少し書いていきますね。

 

書いてあることは普通だった

書いてあることは普通でした。取り立てて新しいことは書かれていません。

 

私は、田端さんというと、今風で自由な働き方を推奨されてるというイメージを持っていました。

・・・が、むしろ、ワークライフバランスやパワハラが問題視される昨今において、

  • 風邪でも休むな
  • 飲み会ではお酌をしろ

のような、まあまあ問題になりそうなことが書かれています。

古い体育会系のおっさんが言いそうですね・・・。

 

また、

  • 根回しをうまくやれ
  • 派閥争いの潮流を読め

といった若者がウンザリしそうなことや、

  • 嘘つくな
  • メールの返信は早く

などの「知っとるわ!」ということが、1つずつ丁寧に書かれています。

 

目新しいことは何もなく、「これのどこが良書なんだ?」と思う人もいるかもしれませんが・・・。

 

誰にとっての良書か?

ここ最近の流れとして、「型破りで通してきたビジネス系のインフルエンサーが普通のことを言う」というのがあると思います。

 

ビジネス系のインフルエンサーというと、ホリエモンとか、幻冬舎の箕輪厚介さんとか、SHOWROOMの前田裕二さんとか、オンデーズ田中修治とか。あとはキングコングの西野さんとか。

そして、リクルート→Livedoor→LINE→ZOZOと、常に時代の先を行く企業を渡り歩いてこられた、我らが田端信太郎さんですね。

 

彼らが「考えずにまずはやれ!」とか「組織に縛られるな!」とか言い過ぎたことで勘違いしちゃった若者が増えたそうです。

本当に考えずに当たり前のリスクヘッジもしないでメチャクチャやったり、本当に組織に縛られずに会社を無計画に辞めちゃったり。

 

それで、最近は逆に、「何も考えずに行動するのではなく、計画をちゃんと立てろ」とか「組織に属するメリットも大きいから、そのメリットを生かしつつ挑戦しろ」みたいな言い方になってきています。

まあ、この記事で書かれていることそのままですが。読んだ方も多いですかね?

https://type.jp/st/feature/6089

 

で、日本のサラリーマンの中で最高に自由である田端さんが、「飲み会って実は大事なんだよ」とか、「俺もちゃんと根回しするよ」って言うと、若者たちもハッと我に返る訳です。

これが、「会社の先輩に教えられた」とか「過去に成功した経営者が言ってる」とかだと、若者は聞かないですからね。多分。

 

そういう意味で、「ビジネス系のインフルエンサーに影響されすぎちゃった若者」に、ぜひ読んでほしい本になっています。

(「影響されすぎちゃった若者」ってちょっとバカにした風に書いてますが、私は、影響されすぎることも良いと思ってます。若いうちはいろいろな考え方に触れ、時には振り回されて徐々にバランスの取れた考え方ができてくるんですよね。若い内から斜に構えてる人はキライです。)

 

あとは、その若者のマネジメントに日々苦労しているマネージャー層にも、役に立つ書だと思います。彼らが何を考えているのか、分かると思います。

40代くらいの部長の机にこの本があったら「あれ?部長もこんなの読むんですね!」なんて言われて、コミュニケーションが図れるのではないでしょうか?

 

中小企業診断士はどこに出てくるのか?

中小企業診断士についての記載

さて、普通のレビューはこれくらいにしておいて、中小企業診断士の記載について書いていきたいと思います。

 

改めて、きっかけとなった当初のツイートは以下のとおり。

 

本を読むとたしかに『イマイチ』とも書かれていました。ただ、

  • 『全否定はしない』
  • 『大して差別化にならない』

とソフトな書き方をされています。

 

そしてさらに、

  • 『資格は漠然と不安だから取るものではない』
  • 『具体的にどういう場面で誰の役に立つのか?明確にイメージしたうえで、目的を持って取るべき』

と、しっかりと書かれています。

 

あなたはどう思いますか?

 

私は「おっしゃる通りだなぁ」と思いました。別に田端さんだけが言ってることではない、いたって「普通のこと」です。

 

本音はこちらなのかな・・・?

 

さすがに本に「クソ」とは書けませんからね。

 

炎上商法?炎上マーケティング?

これを炎上商法、炎上マーケティングと忌み嫌う人もいますよね。それは私もよく理解できます。

 

そういう一面もあると思うんですが、私はこうも思うんです。

これって、「世間一般の認識と最も離れた極端な考え方を最初にぶち上げて、議論の幅を設定してしまう」という手法なんじゃないか?という考えです。

(なんかこの手法に名前ありますか?ご存じの方がいれば教えてください。)

 

議論の初めに「中小企業診断士はクソ」と言ってしまえば、議論の幅がものすごく広がるんですよね。

 

これが初めに「目的を持たずに中小企業診断士の資格取得を目指すやつはクソ」と範囲を狭めてしまうと、「ぼく・私は目的を持ってるからクソじゃない」という人たちが出てきて、「いやいや、その目的って本当に正しいの?」っていう議論ができなくなります。

あえて突っ込ませて問題をあぶり出す手法とでも言いましょうか・・・。個人的には、ホリエモンがいつもこんなツイートをしている気がします。

 

そういった意味が「中小企業診断士はクソ」に込められてて、翻訳すると「中小企業診断士などの資格について、聖域なしで議論しようぜ!」っていうことだと思うのです。

 

これはツッコミ待ちなのか?

ってなことを考えつつ読み進めていった、「Chapter8 『経済・法律・歴史』は世界のビジネスの共通言語」で、ふと気づきます。

 

ここで田端さんが「ビジネスパーソンに必要」という知識をいくつも挙げられるのですが、これって中小企業診断士の一次試験の内容そのままなのです。

 

田端さんは本の中で、

  • キャッシュフローと利益の違い
  • 頻出の法律用語
  • 執行役員と取締役の違い
  • 一般教養レベルの経済学

などの知識が、ビジネスパーソンには絶対に必要だ!とおっしゃってるのです。

診断士の方や、その勉強をされてる方は分かりますよね?全部一次試験科目です。

 

それなのに、中小企業診断士をクソ呼ばわりするとは・・・。

田端さんが知らずに言ってるわけはないので、

  • 知識を得ることと、時間をかけて資格まで取得することは別
  • 実はボケで読者のツッコミ待ち

のどちらかだと思います。

 

まあ、恐らく前者だと思いますが、最近、田端さんは漫才コンビ「ガバガバガバナンス」を結成されたばかりなので、「実はボケだった」というセンも捨てきれない・・・のかな・・・?

 

中小企業診断士ってオススメです。

さて、資格取得者が言うのもなんですが、中小企業診断士はオススメです。

 

少なくとも一次試験を突破すれば、田端さんがおっしゃるビジネスパーソンの基礎知識は、ほぼ完全にクリアできます。(英語はダメですが)

合格には約1,200時間が必要とも言われる試験で、合格するにはたくさん勉強する必要があります。

 

ただ、上記の1,200時間というのは、知識ゼロから始めた場合の目安時間。

何年か仕事をしてきたビジネスパーソンであれば、実務を通じた簿記・法律・ITなどの知識がありますから、実際の勉強時間はもっと短縮できます。

 

だいたい、1日に1~2時間程くらいの学習で、2年ほどかかる計算でしょうか。

もちろんもっとかかる場合もあります。(2年で合格はまあまあ短い方です)

 

また、独学でも合格は可能。私も市販のテキストのみを使って、合格することができました。

もちろんそれほど簡単なことではありませんが、今回のことで興味を持たれた方がいれば、勉強してみてはいかがでしょうか?

 

「そう言われても、勉強を進めるイメージが掴めない」という方。

 

私が2年がかりで独学合格した手法を、以下の3つの記事にまとめています。

科目ごとに詳細な勉強時間も書かれており、私が知る限り、細かさでは日本一の合格体験記です。

もし、今回のことで中小企業診断士に興味を持ち、勉強を始め、数年後の試験で合格する方が出るととっても嬉しいです。

【中小企業診断士】完全独学による合格体験記 その1【1回目の一次試験に落ちるまで】

【中小企業診断士】完全独学による合格体験記 その2【一次試験に合格するまで】

【中小企業診断士】完全独学による合格体験記 その3【一次試験合格後~二次試験当日まで】

 

「でも・・・中小企業診断士ってクソなんでしょ?価値がある資格なの?」という方。

 

その点について、下記の記事で丁寧にまとめています。

中小企業診断士は価値のある資格なのか?

 

以上、私のブログ記事の完全なるステマでした!最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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