「中小企業診断士になりたい!」
そう考えて、一次試験の重要科目である「企業経営理論」のテキストを購入するところから、私の中小企業診断士への道は始まりました。
こんにちは。中小企業診断士のまっころです。
私が中小企業診断士に合格するまでの2年間の道のりを、合格体験記として時系列で書いていきます。
本記事「その1」では、勉強を開始してから1回目の一次試験に落ちるまでの約10か月を書いています。
その2(2年目の一次試験に合格するまで)、その3(二次試験に合格するまで)はこちらから。
私は、勉強するときは必ず「Study Plus」というスマホアプリに記録を取っていましたので、時間は正確です。
トイレに行くときはストップウォッチを一時停止させるほど、徹底していました。
その記録を元に勉強時間を集計し、合格体験記にまとめました。とても細かく書いています。
これから独学で勉強を始めようという方の、参考になればうれしく思います。
- 1. 勉強1年目、1回目の一次試験に落ちるまで
- 2. 【勉強開始 1か月目】11月「企業経営理論のテキストからスタート」
- 3. 【勉強開始 2か月目】12月「企業経営理論の問題集に取り組む」
- 4. 【勉強開始 3か月目】1月「企業経営理論の仕上げと、財務・会計スタート」
- 5. 【勉強開始 4か月目】2月「勉強時間激減!その理由は?」
- 6. 【勉強開始 5か月目】3月「勉強時間さらに激減!わずか16分」
- 7. 【勉強開始 6か月目】4月「ついに全く勉強せず。大丈夫なのか!?」
- 8. 【勉強開始 7か月目】5月「一念発起!頑張ろう!でも・・・」
- 9. 【勉強開始 8か月目】6月「ついに諦めた運営管理」
- 10. 【勉強開始 9か月目】7月「2科目だけでも受かりたい!」
- 11. 【勉強開始 10か月目】8月「2科目だけの最後の仕上げ!」
- 12. 【勉強開始 1年目】一次試験の結果は・・・?
勉強1年目、1回目の一次試験に落ちるまで
まずは、勉強を開始してから、1回目の一次試験に落ちるまでの勉強時間を、表とグラフでまとめました。
見ていただくとわかるのですが、まともに勉強したのは、
- 企業経営理論
- 財務・会計
のみです。まあ、受かるはずありません。当然落ちました。
勉強を始めて3ヶ月間は頑張ったものの、運営管理でつまづき、ほとんど勉強しなくなります。
この年は、
- 企業経営理論:科目合格を目指して
- 財務・会計:科目合格を目指して
- 運営管理:運よく科目合格できるかも!?
- その他の科目:記念受験
として受験しました。
それでは書いていきたいと思います。
【勉強開始 1か月目】11月「企業経営理論のテキストからスタート」
内訳
さて、まずはTACの「スピードテキスト 企業経営理論」(通称:スピテキ)を購入して、勉強を開始します。
11月はテキストしか使っていません。問題集はまだ購入していませんでした。
通勤電車の中でテキストを読み、家での勉強ではテキストをノートにまとめていました。
で、このノートにまとめるという勉強法ですが・・・、今考えると、全くお勧めできません。
お勧めできない理由は、
- ノートを作るのに時間が掛かりすぎる。
- 「ノートを作る過程で内容が頭に入る」は幻想。すぐ忘れる。
- 「後で見返すために作る」も幻想。劣化版テキストができるだけ。
- 勉強した気になる。
などなど、挙げればきりがありません。
特に最後の「勉強した気になる」は二次試験の勉強も通じて、最大の敵です。
私はこの勉強法を、次の科目である財務・会計の途中まで行って、ようやく、
「これ、時間の無駄じゃね?」
と気づき、やめました。多くの時間を無駄にしたと思います。
ノートを作っても内容は頭に入りませんでしたし、作ったノートを復習に使うことはたった一度もありませんでした。
以下で役に立たなかった勉強法を紹介しています。一次試験に独学で挑む全員に読んでほしい!
さて、中小企業診断士の勉強を始めた感想ですが・・・「楽しいっ!」でした。
とても意外でした。中小企業診断士はとても難しいと覚悟していたので、まさかテキストを読むのが楽しいなんて・・・。
今思うと、企業経営理論は好きな方が多いですよね。この分野が嫌いという人は、あまりいないような気がします。
そんなことは知らない独学生ですから、
- 俺は中小企業診断士に向いてるんでは!?
- 俺って頭良かったのか!?
- この資格、実は楽勝なんじゃないか!?
と、完全に調子に乗ります。
でも、最初の科目が楽しいってありがたいですよね。
そんなこんなで、中小企業診断士に向けての第一歩を踏み出した1か月目でした。
【勉強開始 2か月目】12月「企業経営理論の問題集に取り組む」
内訳
ようやく問題集「スピード問題集 企業経営理論」(通称:スピ問)を購入し、本格的に勉強スタートです。
これからしばらくは、
- 家の机の上で勉強できるときは問題集
- 通勤時間はテキスト
というように、勉強を進めていました。テキストを読んだ範囲を、問題集で追っかけていく感じです。
(あ、テキストをノートにまとめるというクソ勉強法もありましたね。これも続けていました。)
ただ、家での勉強時間があまりとれず、問題集が遅れがちになることがよくありました。
そんな時は、満員電車の中、
- 片手にスマホのメモ帳アプリ
- 片手に問題集
で問題を解いていました。一度やってみてください。メチャクチャ大変です。
特に解説を読むのが大変。机の上で勉強できるって素晴らしい・・・。
さて、企業経営理論の最初の分野である「経営戦略」は、面白いほど問題が解けました。私はこの分野は得意だったようです。
で、「組織論」で一気に解けなくなります。この分野は暗記が必要な問題も多いですよね。私は暗記が大の苦手でして・・・。
テキスト読む分には楽しいのですが、暗記が大嫌いで、勉強がつまらなくなってきます。
つまらない組織論を何とか終わらせ、マーケティングにたどり着きます。
経営戦略ほどではないですが、マーケティングは面白いですね。
私は仕事でもBtoBマーケティングを担当していましたので、この分野は一度ちゃんと勉強したいと思っていたので、ちょうどよい機会でした。
好みもあると思いますが、私の中では、
経営戦略>マーケティング>>>>>>>組織論
でした。
そんなこんなで、企業経営理論に取り組みつつ、財務・会計にもぼちぼとと取り組み始めました。
【勉強開始 3か月目】1月「企業経営理論の仕上げと、財務・会計スタート」
内訳
企業経営理論を終わらせ、本格的に財務・会計に取り組みます。
実は企業経営理論が終わるころから、「早く財務・会計をやりたい!」という気持ちになっていました。
財務・会計が苦手な人にとっては信じられない感覚かもしれませんが、もともと数字に苦手意識は感じない方でしたし、なにより日商簿記2級を持っていました。
日商簿記検定は、中小企業診断士の財務・会計の理解を深めるために受験する人がいるほど、親和性が高い資格です。
この資格を持っていたのは、とても有利だったと思います。ただ、資格を取ったのは15年前なので、いろいろスッキリ忘れてましたけど。
※簿記2級って取った方が良いのでしょうか?以下の記事でまとめています。
いや~それにしても、頑張って勉強してますね!この調子!
【勉強開始 4か月目】2月「勉強時間激減!その理由は?」
内訳
財務・会計は一通り完了し、運営管理へ入っていきます。
ここで勉強時間が激減します。なんと、1か月間の勉強時間が3時間以下です。
理由は、
- 勉強開始から4か月が経ち、そろそろモチベーションが落ちる時期だった
- 仕事が忙しくなった時期だった
- 新居への引っ越しがあった
などいろいろあったのですが、最も大きかったのは、
- 運営管理の勉強がつまらなかった
というものです。
結果的に運営管理は得意科目となったのですが(2回目の一次試験で、81点という高得点を取っています)、この時は、勉強方法を完全に間違えていました。
独学のつらいところです。誰にも相談できず、完全に行き詰ってしまいました。
何に行き詰ったかというと、テキストを読んでも問題集の問題が解けなかったのです。
で、解けなかった理由は、「テキストの用語が暗記できていないから」でした。
暗記しようとした用語は、例えば、
- PQCDSMEやECRSのそれぞれの言葉とその意味
- 生産の4M、3S、5Sなどの言葉とその意味
- 度数率、年千人率、強度率などの言葉と計算式
などです。
はっきり言って、この時期、この段階で、用語や公式を完璧に暗記する必要なんて、1ミリもありません。
でも、「問題が解けないまま先に進むと後で困る」と思い込んでしまったのです。
私は暗記が大の苦手&大嫌いです。徐々に勉強から遠ざかってしまいました。
【勉強開始 5か月目】3月「勉強時間さらに激減!わずか16分」
内訳
ひどいです。勉強時間わずか16分。
しかし、独学で勉強する場合、こういったことは必ず起こると思った方が良いと思います。
中小企業診断士の勉強は長丁場。しかも7科目というボリュームです。モチベーションが上がらない時期は必ずありますし、分からない論点も必ず出てきます。
これから独学の勉強を始められる方は、
- モチベーションを下げないよう努力する
- 分からない論点を理解する努力をする
ではなく、
- モチベーションが下がった時にどうするかを考えておく
- 分からない論点が出てきた時にどうするかを考えておく
ということの方が、大事だと思います。
おすすめの方法は
- モチベーションが下がったら、違う科目を勉強して気分を変える
- 分からない論点が出てきたら、諦めて飛ばす
です。その内きっと、その科目を勉強する気になる日は来るし、理解できる日は来ます。
「来なかったらどうするか?」ですか?
大丈夫です。多少勉強してないところや、理解できないところがあっても受かります。
それよりもどんどん進みましょう。まだまだ道は長いです。
【勉強開始 6か月目】4月「ついに全く勉強せず。大丈夫なのか!?」
内訳
ついにゼロです。テキストを一切開いていません。
徐々に、勉強しないことへの罪悪感を感じなくなってきました。
さすがに、「今年はもうダメかも・・・」と思い始めます。
【勉強開始 7か月目】5月「一念発起!頑張ろう!でも・・・」
内訳
さすがにこれではマズイと、重い腰を上げます。
でももう5月。この段階で、この年の7科目合格は諦めました。
- 企業経営理論
- 財務・会計
- 運営管理
の3科目は合格したいと思い、テキストを引っ張り出します。
この時点でも、まだ「運営管理の序盤の用語の暗記」をやっていました。
さっきも書きましたが、この時期、この段階で、用語を暗記する必要なんて1ミリもありません。
過去問を解く内に自然と覚えていきます。そして、どうしても覚えられない点のみ、暗記カードなどで暗記すればよいのです。
そのことに本当に気付くのは、1年以上後の、2回目の一次試験直前でした。
というか、そもそも1年目は過去問を買っていませんでした。過去問の重要性を全く理解していなかったのです。
さて、5月です。一次試験の申込期限は5月31日です。
この頃、受験申し込みをするかどうか、本気で悩みました。受かるわけがないし、受験料がもったいないです。
悩みに悩んだ受付最終日、なんとか申し込みを行います。
今考えると、受けておいて本当に良かったです。
中小企業診断士を目指す皆さん。受けられる試験は必ず受けましょう。仮に勉強がゼロだとしても、試験当日の経験は、何物にも代えがたいものになります。
もう少し言うと、勉強していない科目も、全科目受けたほうが良いと思います。
- 必要書類の準備
- 試験会場までの道のり
- 当日必要なものの確認
- 実際の試験の雰囲気
などなど、得られる経験を挙げればきりがありません。模試だと考えれば、これ以上に本番に近い模試はありません。
マークを適当に塗りつぶして帰ってこれば良いのです。
【勉強開始 8か月目】6月「ついに諦めた運営管理」
内訳
この時期に、1か月の勉強時間が1時間以下って、あり得ないですよね。
結局は「運営管理の勉強がつまらない」に勝てなかったのです。
結局、運営管理の勉強は続きませんでした。
こんな苦労した科目ですが、2年目は81点という高得点が取れたわけです。
- 私が運営管理が苦手だった訳でも、
- 試験に対するモチベーションが落ちた訳でも、
- テキストや問題集が悪かった訳でも、
ありません。正しい勉強法を知らなかったのです。独学ってやっぱり大変ですね。
あ、試験に対するモチベーションは、落ちてないとは言えないですね・・・。
【勉強開始 9か月目】7月「2科目だけでも受かりたい!」
内訳
さあ、一次試験1か月前です。
せめて、
- 企業経営理論
- 財務・会計
の2科目だけでも受かりたいと思い、テキストと問題集を引っ張り出します。
この2科目は楽しいんです。
先ほども書きましたが、実はこの時点で過去問を買っていません。この年はスピードテキスト・スピード問題集だけで挑みました。
今考えるとあり得ないのですが、過去問の重要性をまだ理解していなかったんです。
結果的に、企業経営理論はあと1点で合格を逃してしまうことなりますが、この頃から過去問に取り組んでいれば、きっと受かっていたでしょう。
とはいえ、合格した年の企業経営理論は71点という高得点を取っており、他の科目のカバーをしてくれています。
この年に受かっていたら、企業経営理論は「科目合格制度」を使ったと思います。そうなると二次試験の事例Ⅰ・事例Ⅱにも影響したかもしれません。
もしかしたら、ここで落ちていて良かったのかもしれません。
【勉強開始 10か月目】8月「2科目だけの最後の仕上げ!」
内訳
8月に入ってからは、財務・会計の復習を集中的に行い、タイムリミット!
この時点で、
- 経済学・経済政策
- 経営情報システム
- 経営法務
- 中小企業経営・中小企業政策
は完全に無勉強でしたが、模試のつもりで全科目受けてきました。2日目なんて、マークシートを適当に塗りつぶしただけです(笑)
さっきも言いましたが、受けておいて本当に良かったと思います。当日の雰囲気や注意点など、いろいろ実感することができました。
このおかげで、2年目は試験に集中することができたと思います。
準備不足で、科目合格を目指して受験される方も多いと思いますが(もちろんそういうやり方も良いと思います)、勉強していない科目を受けないのは本当にもったいないです。
受験料は変わらないわけですから、せっかくですから受けましょう!
「その次の科目が本命だから、そのための最後の追い込みの時間にしたい」という場合もあると思いますので、その場合は仕方がないですけどね。
で、もちろんですが、合格は完全に諦めていました。
特に、2日目の科目なんて、全く勉強しておらず、完全にやる気がありませんでした。1日目が終わった後は、ジムへ行って筋トレをして、帰宅後はお酒を飲んで酔い潰れて寝てしまいました。
あり得ない行為ですね。
こんな人もいますので、合格率は見た目より高いはずです。ちゃんと勉強した方は自信を持っていきましょう。
【勉強開始 1年目】一次試験の結果は・・・?
科目 | 点数 |
経済 | 56点 |
財務 | 76点 |
経営 | 59点 |
運営 | 42点 |
情報 | 52点 |
法務 | 48点 |
中小 | 30点 |
合計 | 363点 |
当然ながら落ちてます。
が、財務・会計は易化した年だったこともあり、高得点で科目合格できました。
企業経営理論は無念のあと1点でした。
一応勉強した運営管理が42点だったことは、ちょっとショックでした。「もしかしたら合格してないかな?」という期待が少しはありましたから。
で、なんと、全く無勉強の経済学・経済政策があと1問で合格の56点。一番のびっくりでした。こんなことあるんですね。
唯一合格した財務・会計は、二次試験にも大いに関係しますし、何より得点源にしたいので、「結局来年も全科目受験することになりそうだな」と思いながら、1回目の一次試験が終わりました。
さて、翌日の「正解と配点」の公式発表を待つまでもなく、100%落ちているので、翌日から運営管理の勉強を再開します。
来年こそは受かるぞ!
その気持ちを胸に勉強を再開しますが、まだまだそう簡単にはいきません。
中小企業診断士はやはり難関資格。勉強は大変です。
結果的に合格できる翌年の一次試験までの道のりはいかに・・・。その2へ続きます。