「さあ、遂に一次試験に合格!
・・・
・・・
二次試験の対策、やってない・・・」
こんにちは。中小企業診断士のまっころです。
本記事は、私が中小企業診断士の一次試験に合格してから、二次試験の試験当日までの約2か月半(11週間)について、書いていきます。
その1はこちら
その2はこちら
二次試験の各事例ごとの勉強時間
一次試験についての記事と同じように、勉強時間を表とグラフでまとめました。
一次試験が終わった時点で「一度も二次試験の問題を見たことない状態」でした。
一次試験2日目、帰り道のバスの中で、初めてスマホで過去問を見ました。一次試験の勉強中は、二次試験のことを考える余裕が全く無かったのです。
ここから約2ヶ月半で合格できるのか・・・。不安ですがやるしかありません。もちろん独学です。
ここからは、2ヶ月半という短い期間にいろいろな勉強を行いましたので、1週間単位で書いていきます。
勉強時間の詳細
【第1週目:8/5(日)~8/11(土)】
初めて見る二次試験の問題
一次試験2日目の帰り道、スマホから二次試験の過去問を見ます。二次試験の問題を見たのはこれが初めてでした。
見た印象ですが、この段階では「簡単そうだ」とも「難しそうだ」とも感じず、「こんな感じなのか~、ふ~ん・・・」という感じでした。
「ふぞろいな合格答案 10年データブック」を注文したのは8/4(土)の夜中でしたので、まだ届きません。
届くまでは与件文を読んだりしながら過ごし、届き次第、過去問に取り掛かりました。
正直、二次試験に関係が深いとされる
- 企業経営理論
- 財務・会計
- 運営管理
は比較的得意科目でしたので、「なんとかなるんじゃないか」と甘く見ていました。
早速、過去問に取り組みます。結果は・・・。
「全然書けない。」
解答欄が全く埋まりません。何を書いたら良いのか、全く分からない状態です。
一気に不安になりました。わずか2ヶ月半で合格解答を書けるようになるのか・・・。
悶々としながらツイッターを眺めていると、「一発合格まとめシート」がお勧めとのことで購入しました。
買ってみると、とにかく素晴らしい。二次だけではなく一次試験の復習にも最適です。
このころの私のツイートです。二次試験のヤバさにようやく気付いている・・・。
ヤバいヤバい2次の過去問ヤバい。
書けないやつは全く書けない。ふぞろいの解答例、
なにこの人たち、天才?— まっころ@中小企業診断士 (@maccolock) August 9, 2018
【第2週目:8/12(日)~8/18(土)】
「使えるフレーズ集」作り
2週目に入っても、過去問に挑戦中。まだまだ全然書けません。
「なんとなく言いたいことはあるんだけど、言語化できない」状況です。
これ、一次試験の知識が完璧だからといって、解決する問題ではありませんよね。一次試験は選択式ですから、知識を言語化する必要はないんです。
「一次試験の見直しから始めるべき」という人がいますが、私は反対です。アウトプットの訓練の方がはるかに重要です。
訓練といっても、何か特別なことをする必要はなくて、過去問をやるだけでいいと思います。
ただ、
- 一次試験のテキストを読み直す
- 中小企業白書を読み直す
などの勉強法に逃げない方がいいんじゃないかと思います。
書けないという問題は、書くことでしか解決しないと思うので。日頃、文章を書く仕事をされてる方は、こういう問題ないかもしれませんね。
で、書けない理由を考えてみたのですが、
- ボキャブラリーが足りないから
という結論に達しました。
赤ちゃんが言葉を話し始めるのと、同じ原因だと考えたのです。
赤ちゃんが言葉を話すまでって、
- まず「単語」を話し始める
- 例:パパ、ママ、わんわん(犬)
- その後、「単語」が「フレーズ」になる
- 例:ママ、好き。わんわん、いた。
- 最後に、「フレーズ」が「文章」になる
- 例:ママ、わんわんがあそこにいるよ。
こんな感じですよね。で、「徐々に文章が高度になっていく」というのがあると思います。
なので、
- まず「単語」を使えるようにする
- 例:権限委譲、モラール
- その後、「単語」を「フレーズ」として使えるようにする
- 例:権限委譲によりモラール・従業員満足度を向上
- 最後に、「フレーズ」を「文章」にできるようにする
- 例:権限を大幅に委譲することで、従業員のモラール・満足度を向上させ、離職率の低下を図る。
という訓練をしようとしました。
そこで、「ふぞろいな合格答案」の解答を参考に「使えるフレーズ集」を作り始めました。
「フレーズ」が使えるようになれば、「フレーズ」を「文章」にするのは、過去問をやることで訓練できると考えたのです。
最初はとあるアプリを使ってましたが、途中からはTwitterで教えてもらったQuizletにまとめていきました。
以下のリンクで公開していますので、参考になれば幸いです。このフレーズ集を見ながら過去問に取り組むのも、最初のうちはアリだと思います。
この勉強方法は、まあまあ良かったと思います。
Twitterで知ったのですが、他に独学で二次試験に取り組まれている方で、「写経」をされている方がいらっしゃいました。ふぞろいなどの解答を丸写しするという手法です。
これも切り口は違いますが、
- アウトプットの訓練
- まずは物真似でもいいから、書いてみる
ということですよね。
その方も合格していましたし(もちろんこの勉強法だけが全てではありませんが)、この時期にこういった形でアウトプットの訓練をするのは、いい勉強法ではないかなと思います。
【第3週目:8/19(日)~8/25(土)】
まだまだ過去問に苦戦
引き続き、テキストやフレーズ集を参考にしながら、過去問を解いていきます。
解いた後は、ふぞろいの解答を参考にしながら、使えるフレーズをQuizletにまとめていきます。
ただ、なんとなくですが、
「これを続けても、これ以上レベルが上がるような気がしない」
と感じていました。ただ、他に良い勉強法も見つかりません。
イマイチ成長している感じが無いのです。この辺が二次試験の独学合格は難しいと言われる所以だと思います。
でも、今のところこれを続けるしかありません。
- 過去問
- 見直し
- 使えるフレーズを抜き出す
という繰り返しを続けていきます。
【第4週目:8/26(日)~9/1(土)】
最初の方向転換
「なんかしっくりこないなぁ」的なことをツイッターでボヤいてたら、
- 「中小企業診断士2次試験合格者の頭の中にあった全ノウハウ」
- 「中小企業診断士2次試験合格者の頭の中にあった全知識」
(通称:全ノウハウと全知識)をお勧めいただいたので、即購入しました。(私が購入したのは2018年度版です)
読んでみたら2冊とも素晴らしい。
特に全ノウハウは2年分の過去問が事細かに分析されており、とても役に立ちました。
さて、ここで一度、方向転換を行いました。
ここまでで、平成28年度〜平成25年度の全事例の過去問(4年×4事例=16事例)を解きましたが、実力が付いた気がしなかったからです。
方向転換の内容は、
- 過去問を解くときは、なんとなく80分を意識して解いていましたが、これを廃止。
- どれだけ時間が掛かっても良いから与件文をしっかり読み込む
- 現時点で書ける完璧な解答を作る
ということをテーマに、過去問に取り組みました。
答えのカンニングはダメですが、テキストや参考書は見てもOKにしました。
下の画像は、平成29年度の事例Ⅱにじっくり取り組んだ際の、与件文へのライン引き・メモ書きです。相当細かくグラフや年表まで手書きしています。
1問も解いていない状況ですが、すでに50分経過しています(笑)
本番でこんなことをしては時間がいくらあっても足りませんが、今は練習。1つの事例に2時間近くかかったこともありました。
【第5週目:9/2(日)~9/8(土)】
事例Ⅳ問題集で猛特訓
さて、事例Ⅰ〜Ⅲは、「時間を気にせず解く」という手法を導入したことで、なんとか目処が立った気がしていました。
(全然立ってないんですが、この時点では立ったと勘違いしていました)
で、事例Ⅳは得意科目にするつもりだったのですが、実は過去問でボロボロになっていました。
このままではヤバイと思い「30日完成!事例Ⅳ合格点突破 計算問題集」を購入し、猛特訓に入ります。
この本もめちゃくちゃお勧めです。他の本でも良いのですが、計算問題集は絶対にやった方がいいです。
「問題集だから過去問より簡単でしょ」と油断して取り組んだらいきなり苦戦。事例Ⅳの高い壁に呆然としました。
グラフを見ても、この週はほぼ事例Ⅳしかやっていませんね。
この問題集は継続して取り組み、結局、試験前日までやっていました。
泣きながら、事例Ⅳの問題集で最終確認をしている、試験前日のツイートです。
最後に事例1の過去問をやっておきたいけど、事例4の最終確認が終わらない。。。
理解が怪しいポイント、こんなにあったっけ。。。
— まっころ@中小企業診断士 (@maccolock) October 20, 2018
【第6週目:9/9(日)~9/15(土)】
再び過去問へ
再び過去問へ。
- 事例Ⅰ~Ⅲは、数にはそれほどこだわらず、質重視でじっくり取り組む。
- 逆に、事例Ⅳは数をこなす。過去10年分+問題集を徹底的にやる。
という方針を立て、過去問を繰り返します。
ただ、以前に比べてそれなりの解答が書けるようになってきたものの、いまいちパッとしません。
この時点での悩みは、「各設問ごとの解答はそれなりに書けるものの、事例全体の流れが見えない」でした。
「虫の目」はあるんですが、俯瞰した「鳥の目」がないんですね。
なので、イマイチ、事例企業への大きな助言が出来ていないような気がしました。
それを解決するためには「各事例を深く理解するために、改めて分析し直す必要がある」と感じ、過去問を離れる選択をします。
【第7週目:9/16(日)~9/22(土)】
2回目の方向転換。各事例の分析
2回目の方向転換をします。
過去問から離れ、各事例を分析することに決めました。
過去問から離れることへの不安もありましたが、それ以上に、
「このまま過去問を続けても解答のレベルは上がらない」
という確信がありました。
結果的に、この判断が合格に繋がったと思います。
ここで行なった分析と、それをファイナルペーパーにまとめたことで、全事例の全体感が掴め、解答のレベルが飛躍的に向上することになります。
分析と、作成したファイナルペーパーを以下に公開指していますので、よろしければご活用ください。
あ。「過去問から離れた」といっても、ボチボチ取り組んではいました。
むしろ、
- 分析
- 過去問で分析が正しいか検証
- 再度分析
- 再度過去問で検証
という繰り返しをしていました。
【第8週目:9/23(日)~9/29(土)】
引き続き、各事例の分析
「過去問に集中しなくて大丈夫だろうか」と不安を感じながら進めた分析でしたが、徐々に頭がクリアになっていく感覚がありました。
具体的などんな分析をしたかというと、
- どんな論点が
- どんな問われ方で
- どれだけの重要性で(配点)
- どんな難易度で
といった基準で、設問をまとめていきました。
これだけでは分からないと思うので、以下のページを見ていただければと思います。
主にふぞろいを読み込んで体系化していくのですが、とても頭を使い、とても疲れます。ただ、「この勉強法から逃げてはいけない」と自分に言い聞かせ、頑張りました。
この勉強法が正しいというわけではありませんが、二次試験の勉強法で「過去問に逃げる」というのは良くないと思います。
「過去問を〇週やる」という目標を立ててしまうと、
- 数をこなすことが目的となり、
- 答え合わせと見直しに時間を割かなくなり、
- 過去問を解いてもレベルが上がらない
という現象に陥ります。
しかも、勉強した気になりやすいというデメリットもあります。
過去問はもちろん大事ですが、こなすことが目的にならないよう、常に気を付けたほうが良いと思います。
【第9週目:9/30(日)~10/6(土)】
ファイナルペーパー作りへ
もともと、ファイナルペーパー作りが目的で分析を始めた訳ではありませんでしたが、結果的に、分析結果をファイナルペーパーにまとめることができました。
これをまとめた時点で分析は終了。確かな実感があり、過去問を離れて良かったと実感しました。
ただ、ファイナルペーパーは作る過程にこそ意味があります。
また、人それぞれ、役に立つファイナルペーパーは違うと思います。
ぜひ、自分だけのファイナルペーパーを作ってほしいと思います。
作る過程はとても苦しいと思いますが、必ず役に立つと思います。
あ、ちなみにこの辺りから、あまりに漢字が書けないことに不安になり、Quizletに漢字辞典を作り始めます。
※あくまで自分用なので、他の人にはあまり役立たないと思いますが(笑)
【第10週目:10/7(日)~10/13(土)】
事実上の最終週
試験まではあと2週間ですが、ここまで睡眠時間を削って勉強してきており、睡眠負債が相当溜まっていると感じていました。
1〜2日たくさん寝ただけではおそらく足りないので、最終週はたくさん寝ると決めており、この週が事実上の最終週。
この時点で、各事例の過去問で、自己採点で50〜60点くらいを安定して取れるようになってきたと感じます。
ただ、初見の問題なんてもうほとんどなく、前に見た事例だと高得点取れて当たり前なんですよね。
なので、最後まで不安は拭えませんでした。
そして、最後の最後に増える事例Ⅳの勉強時間。
第5週目の事例Ⅳ猛特訓の効果が薄れてきており、慌てて取り組んでいます。
要は、解き方をいろいろ忘れちゃったということです。
事例Ⅳの対策は、コツコツやらないとだめですね・・・。
【第11週目:10/14(日)~10/20(土)】
何よりも体調管理を
この週は23時就寝を目標に、無理のない範囲で最後の確認をしてました。
有休を1日取って、図書館にこもったにもかかわらず、1週間の勉強時間が12時間ちょっとですから、明らかに勉強時間は減っていますね。
最終週はやっぱり事例Ⅳ対策。
- 投資の経済性分析
- デシジョンツリー(なぜか「今年こそ出る」と噂でした(笑))
などの難問対策をしていましたが、ほとんど効果は無かったです。
やはり事例Ⅳはコツコツが良いですね。
不安はありましたが、二次試験は何よりもクリアな頭が必要。体調管理を最優先に考えました。
最終日は21時過ぎには勉強を終え、22時頃には布団に入りました。
まだ不安点はあるけど、そろそろ終わろう。お風呂入って寝よ〜っと。
— まっころ@中小企業診断士 (@maccolock) October 20, 2018
【第12週目:10/21(日)】
試験当日
遂に試験当日。1時間ほど余裕を持って試験会場に向かいます。
心の中の半分は「不安」、半分は「やり切った感」でした。これまでの成果を出すのみ。
事例Ⅰ
緊張の事例Ⅰ
私が当日書いた解答は、以下で公開しています。
実は模試も受けていないので、試験会場で80分の制限時間で問題を解くのはこれが初めてでした。
手応えは・・・よく分からない・・・。
事例Ⅰは手応えが分からないことが多いです。他の人たちもそんな感じでした。
ある程度書けたのであれば、それほど差は付きません。終わったら、気にせず事例Ⅱの準備をした方が良いです。
休憩時間にこんなツイートをしてました。
事例1
足切りは無いと思うくらいの手応えしかない。
あまり書けなかったなあ。— まっころ@中小企業診断士 (@maccolock) October 21, 2018
事例Ⅰの結果は57点でした。うーん、まずまず。
(もちろん、点数が分かったのは後日です)
事例Ⅱ
事例Ⅱは、割とサクサク書けました。事例Ⅱはこちら。
点数は2番目に良い68点。自分でも手ごたえがありました。
いい気分でお昼ご飯を食べます。
事例Ⅲ
事例Ⅲは、散々してきた対策がズバリ当たってニヤリ。
当日私が書いた解答と、ニヤリポイントは以下。
特に最終問題は会心の出来。大きくガッツポーズをして終えたはずが・・・57点。
二次試験は手応えと点数が比例しないと言いますが・・・本当に分からないもんですね。
事例Ⅳ
問題の事例Ⅳです。
- 与件文がよく分からない
- CVP分析の計算がおかしい
など大波乱。
ただ、結果的に計算問題はほとんど正解でき、最高得点の72点を取ることができました。
事例Ⅳで大きく点数を落とした人も多かったようなので、私にとってはありがたかった事例Ⅳとなりました。
後日談ですが、とある事情でお会いした予備校講師の方に、「事例Ⅳで72点を取った」と言うと、メチャクチャびっくりされました。
「これまで聞いた中で最高点」と言われました。ホントかな・・・?
最後の最後、「勘違いを更に勘違いしたおかげで正解となる」といった幸運にも恵まれ・・・。
あああ、最後の最後、四捨五入の単位合ってたのに変えてしまった、、、。
— まっころ@中小企業診断士 (@maccolock) October 21, 2018
おおおおお!
四捨五入の単位、合ってたのに変えてしまったと思ってたら、結局変えたのが合ってた!
ほんと?
第2問 設問1 ② (a)
6.27でいいのかな?6じゃない?設問が4階層って、ややこし過ぎだろ〜。 https://t.co/4lQAOwiEcQ
— まっころ@中小企業診断士 (@maccolock) October 21, 2018
そして、12月7日の合格発表。見事、合格することができました。
番号あった!受かってる!
中小企業診断士、二次試験(筆記)合格!やりました〜!
ということで、(多分)日本一早い「平成30年度、二次試験(筆記)合格者」による「合格記ブログ」公開しました!
合格した再現答案もあります!
優しい人はぜひRTお願いします!
m(_ _)mhttps://t.co/7P65PT3DIy— まっころ@中小企業診断士 (@maccolock) December 7, 2018
最後に
一次試験に合格してから二次試験を受けるまで。
プライベートの時間をほぼ勉強に費やしただけでなく、寝ても覚めても二次試験のことを考えていた2か月半でした。
独学での勉強は、
- この勉強法で正しいのか
- どれくらい勉強すれば合格レベルに辿り着けるのか
という不安とも戦わなければならず、本当に大変だと思います。
これから独学で頑張ろうとしている方に、少しでも参考になるよう、出来るだけ細かい数値を用いて書いてきたつもりです。ご参考になれば幸いです。
3回に渡り、私の合格記にお付き合いいただき、ありがとうございました。